闇夜の下でｰｰｰ

誰かを待ち続ける

絵描きが居る

擦れる筆音だけに包まれる

絵描きが居る

色と形に押し潰される

絵描きが居る

機械仕掛けの様に

乱れることを知らない

絵描きが居る

沢山の絵描きが居て

今ある、自分だけの美を

求めて時間を削ってゆく

その時間の長さは

誰にも解らず

突然に消えてしまうかもしれない

だから何も描けず

苦しいだけの時間も

幸せな時間なんだと

感じなくてはｰｰ

そう思えば

また明日も

苦しい時間の中で

過ごせるかもしれない

今夜の苦しみの跡